新型コロナウイルスの影響が長期化する中、「感染リスクを減らす対策」と「業務を滞りなくおこなうこと」の両立で苦労している企業は少なくありません。感染症対策を自社の従業員でおこなうとなると、日常業務にプラスして対策をしなければならないためです。
業務に支障をきたさぬよう効率よく感染症対策をおこなうには、“感染症対策のポイント”を知っておくことが大切です。
ここではオフィスで感染症が起こりやすい理由や、感染症対策のポイントをご紹介します。すでに実施しているという企業も、いま一度感染症対策の必要性について知っておきましょう。
オフィスで感染症が起こりやすいのはなぜ?
コロナウイルスの感染経路は主に「飛沫感染」「接触感染」です。
特に「飛沫感染」は会話・くしゃみ・咳などで飛沫が飛び、それを吸い込むことで起きる感染であり、お互いが距離を空けることや換気をすることが重要な対策となります。
とはいえ、多くのオフィスは「三密(密集・密接・密閉)」が起こりやすい環境にあり、何も対策をしないと感染リスクが高い状態だといえます。特にオフィスビルの1室を借りて業務をおこなっているような企業では、限られたスペース内に人が密集しやすく、どうしても三密になりやすいのです。
さらに、エレベーターのボタンやドアノブ・コピー機・自動販売機などの共有設備も要注意といえます。これらの設備は不特定多数が触れるため、何も対策を打たないままだと接触感染(ウイルスのついた手で鼻や口、目を触って起きる感染)につながる可能性が高いでしょう。
そこで重要なのが、企業で毎日実施する感染症対策です。日頃から感染症対策を徹底することで、感染リスクを最小限に抑えることができます。
企業はどのような感染症対策をすべき?
新型コロナウイルスの感染症対策は今や広く知られていますが、一時的な対策ではごく短期間しか効果が得られないので意味がありません。
長期的に感染症対策をおこなうには、「環境面から変えること」そして「全員が、毎日継続して感染症対策をおこなうこと」の2つが重要です。
企業および従業員がおこなうべき感染症対策について、今一度確認してみましょう。
ソーシャルディスタンスが確保できる対策
飛沫感染を予防するにはソーシャルディスタンス(身体的、社会的距離)を取ることが重要とされています。オフィス内でも同様に、デスク同士の間を広く取って距離を空けたり、デスク数そのものを減らしたりするなどの配慮をおこなうことが大切です。
オフィスの面積的に配置を変えることが難しいようならば、在宅勤務やサテライトオフィス等を利用したテレワークの導入も検討するといいでしょう。1室あたりの在席者数を減らすことができれば、限られたオフィス空間でも身体的距離を取りやすくなります。
時差通勤の実施
従業員が一斉に出退勤すると、社内通路等の混雑が起こりやすくなります。また、公共交通機関の混雑にもつながります。こうした出退勤に伴う混雑を防ぐには、フレックスタイム制を導入した時差通勤が効果的です。従業員の出退勤時間がばらけることで混雑が緩和でき、感染症予防につながります。
マスク着用、手洗い、手指消毒の励行
マスク着用や手洗い、手指消毒は感染症対策においてとても重要です。これらは全員が徹底しておこなうことが重要ですが、「するかしないか」の判断を個々に委ねると、人によっては対応が曖昧になってしまう場合があります。感染症予防意識には個人差がありますし、感染症対策が長期化するほど“気のゆるみ”が出てしまうからです。
より徹底した感染症対策をおこなうには、企業側が「マスクの着用や手洗い、手指消毒を必ずおこなってください」と常に周知していかねばなりません。従業員の意識が低い場合には、これらの対策の必要性や有効性などをしっかりと説明し、理解してもらいましょう。3つの対策の重要性を伝える際には、ウイルスの減少データや感染例などを用いるとより効果的です
共有設備の消毒やトイレの清掃
エレベーターのボタンやドアノブ・デスクの上・コピー機などの共用設備は、多くの人が触れる場所です。接触感染予防のため、定期的に消毒をおこないましょう。それぞれの場所に消毒液を設置しておき、使用した従業員に消毒してもらう……といった習慣づけができると理想的です。
また、多くの人が利用するトイレもこまめな清掃が必要です。トイレ清掃の回数を増やし、手や体が触れる場所は入念に掃除・消毒をしましょう。
定期的な換気の実施
飛沫感染を防ぐには、オフィス空間や会議室、休憩室などの部屋を定期的に換気することが重要です。
窓を開けられる部屋であれば常に開けておくのがベストですが、難しいようならば30分に1回換気をおこないましょう。また窓が開けられない場合は、利用人数を制限して少なくし、空調等で常時換気をしましょう。
健康状態のチェック・ストレスチェックの実施
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐには、毎日の健康チェックが大切です。出社前に検温や咳、鼻水などがないか従業員それぞれに健康チェックを実施してもらい、少しでも怪しいようなら会社を休んでもらうことを徹底しましょう。
それから、社員が大きなストレス・疲労を抱えていると免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。企業としては定期的にストレスチェックを実施し、メンタルケアをおこないましょう。
いざというときに休みやすい環境づくり
ときには体調不良者が休むのをためらってしまう、または無理に出社してしまう……というケースが多くみられます。この場合は人手不足であったり、業務負担の偏りがあったりして本人が休むに休めないという状態です。
従業員が休みやすい環境をつくるには、業務効率を向上できるシステムを導入したり、自社の業務量の見直しなどをおこなったりしながら“休みやすい環境づくり”を進める必要があります。
感染症対策における体調不良者や感染者への対応は?
従業員に体調不良者が出た場合は、無理に出社せず休んでもらうことを徹底しましょう。仮に感染していた場合、無理に出社をすれば一気に広がってしまう可能性があるからです。「ただの風邪だから」と見くびらず、常に感染リスクのことを考慮した対応を心掛けることが重要です。
また前項でも触れましたが、「体調不良者が休みやすい環境づくり」を常に意識し実行することも大切です。 特に部署や現場の責任者は、チーム全体の業務の進捗を共有するなど、誰が休んでも仕事が回るような職場づくりを心掛けるようにしましょう。
それから、企業として把握しておかねばならないのが「感染者が出た場合」の対応です。
もし感染者が出た場合は、保健所や労働基準法に基づいて従業員へ対応をおこないます。労務担当者はいざというときスムーズに対応できるよう、あらかじめどのような対応をすべきなのかをまとめておきましょう。
同時に、従業員に対しても感染症になった場合の対応について周知しておくことが大切です。
オフィスでの感染症対策では、個人が意識することも大切
1つの空間内に多くの人がいるオフィスでは、徹底した感染症対策が必要です。またオフィス内だけでなく、普段から従業員1人ひとりが感染症対策をおこなうことも重要だといえます。
企業は自社の感染症対策をおこなうとともに、従業員へ感染予防の重要さを呼びかけることも忘れないようにしましょう。
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