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テレワーク化でオフィス需要は減る? アフターコロナでもオフィスは不要か

テレワーク化を受け、オフィス需要が変化しつつある

ウィズコロナ時代に突入した今、企業では働き方にさまざまな選択肢が生まれています。 特に昨今は感染拡大防止策としてテレワークが定着しつつある、という企業も多いでしょう。 こうした企業では、自宅とオフィスを使い分けながら働く形式へと切り替えているケースも少なくありません。しかしその一方で、オフィスを解約・縮小・移転し、アフターコロナを見据えた経営をおこなっている企業も多くみられます。 働き方の多様化に合わせて、オフィス需要はどのように変化していくのでしょうか? 本記事では、コロナによる社会情勢の変化でオフィス需要は現状どうなっているのか、将来的にどうなるのかについてご紹介します。

空室率や賃料は実際どうなっているのか

株式会社オフィスビル総合研究所の調査では、2020年、第2四半期(4~6月)時点での東京都心5区におけるオフィス空室率は「0.9%」という結果が出ました。 (参考:https://www.officesoken.jp/pdf/data/tokyo_forecast.pdf) しかし同社の予測値を見てみると、2020年第3四半期(7~9月)は2.1%、2021年第2四半期には4.1%に上昇推移するとみられています。 この数値は2008年のリーマンショック時(8%)よりも低く、大きな影響はないといわれていますが、そもそも空室率が上昇するのはなぜなのでしょうか? また、賃料にはどのような影響が現れるのでしょうか。

空室率が上昇する理由

空室率が上昇傾向にある理由は、やはり「新型コロナの感染拡大防止策としてテレワークが普及したこと」が挙げられます。 ウィズコロナ時代の今は、従業員の感染リスクを防ぎつつ、経営リスクをなるべく減らそうとする企業が多くみられます。 その結果、オフィス出社人数を制限したり、レンタルスペース等を利用したりして分散勤務をおこなう企業も増加しているのです。 また、企業の中にはオフィスそのものを手放したり、縮小移転をしたりして経営リスクを減らそうという動きもあります。 その他には、企業の倒産・事業縮小などで失業者数が増加していることも理由の1つです。 厚生労働省が9月に発表したデータによると、新型コロナウイルスの影響で解雇・雇い止め等の見込み労働者数は6万923人にのぼります。従業員数が減り「オフィスそのものが不要」と判断する企業が増えれば、オフィス需要が減少する可能性も高くなるのです。 (参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000676431.pdf

新型コロナは賃料にどう影響する?

オフィスの賃料は空室率が上がるほど安くなる傾向が強いですが、今後はどのように変化していくのでしょうか。 株式会社オフィスビル総合研究所のレポートによると、賃料に密接な関連がある“空室率”は「1年後を境に上昇率がゆるやかになる」と予測されています。そのため、賃料についても「さほど大きな変化が見られない」との見方が濃厚です。 2020年第2四半期時点での東京都心5区の賃料は1坪あたり23000円台後半です。しかし1年後、2年後、3年後となっても23000円台の中でゆるやかに下降していくに留まるでしょう。 コロナの影響を受けて業績が悪化すれば、ランニングコストをカットするなどして経営の立て直しをおこなわなければいけません。 しかし、今までと同じ賃料を払いながら事業を続けるとなれば、賃料が大きな負担となるでしょう。賃料が変わらないということは、企業の経営状態によっては大きなリスクになりうるのです。 企業は経営状態を含めて“オフィスの在り方”を検討する必要があります。

テレワークとソーシャルディスタンスの影響

新型コロナの感染拡大対策として、ソーシャルディスタンスを保つことはとても重要です。 その一環としてテレワークを推奨・常態化する企業も増えました。 しかし、完全テレワークで業務を遂行できる企業は一部に限られているのが現状です。 そのため「テレワーク勤務の社員」「オフィス(本社、支社、工場、店舗」)に出社・勤務する社員」に分かれて業務をおこなう企業が多いのではないでしょうか。 オフィスで勤務する場合は、ソーシャルディスタンスを保てるように机を離すことが重要です。このときオフィスに十分なスペースがあれば、席数を減らすなどして対応ができます。 一方、もともと面積を抑えてコンパクトなオフィスを構えていた企業にとっては、十分なスペースが確保しにくいことが問題となるでしょう。従来の形ではどうしても社員同士の距離が近くなってしまうため、オフィスの規模やレイアウト、使用目的などを踏まえ、対策をおこなう必要があります。 今後新型コロナが収束する具体的な見通しが立つまで、ソーシャルディスタンスが求められることは間違いありません。企業はテレワークを有効活用するとともに、「自社のオフィスは社員同士のソーシャルディスタンス確保が可能なのか」という点を確認することが大切です。

記事まとめ

新しい生活様式が浸透しつつある現代において、オフィスの役割も大きく変化しつつあります。 柔軟に使えて変化にも対処しやすいフレキシブルオフィスという考え方を導入し、ニューノーマル時代を上手に乗り切っていくことが肝心です。まずは従業員のニーズを十分に把握し、将来どのような職場環境を構築するのかをイメージすることがオフィス設計のポイントです。

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